Summary
HubSpotの有料アカウントは、移行料金なしで保存地域を変更できます。AsanaはEnterprise系の対象構成で東京などを選べます。monday.comは保存開始後のアカウントを移せません。Shopifyのプライバシーポリシーは海外移転を説明していますが、利用者が保存地域を指定する仕組みまでは確認できません。いずれも、全データが一つの国に残るという意味ではありません。
国名の前に、対象データを決める
取引先が「顧客台帳を日本に置くこと」を求める場合と、「サポート担当者がどこからアクセスするか」を尋ねる場合では、必要な回答が違います。データレジデンシーは主に、対象データを保存する地域のことです。処理やアクセスの場所がすべて同じになる機能ではありません。
業務の記録、添付ファイル、アカウントの認証情報、バックアップ、AI処理のどれが条件に含まれるかを書き出します。外部の処理会社まで対象かも確認します。管理画面の地域表示は資料になりますが、その表示だけで全部の設問には答えられません。
| 製品 | 保存地域・変更方法 | 利用時の条件 |
|---|---|---|
| HubSpot | EU・カナダ・豪州・米国東部/西部。有料利用者は管理画面から移行でき、移行料金はありません。 | 有料の新規アカウントは申込時のIPで割当。無料だけの利用は米国。自社の実際の保存先を確認します。 |
| monday.com | US・EU・APAC。既存データを地域間で移せず、パートナーやEnterprise担当者へ新アカウントの作成を相談します。 | 日本のアカウントは米国。EUはEnterpriseと、2023年1月23日以降作成のStandard・Proが対象。 |
| Asana | 既定は米国。フランクフルト・東京・シドニーを選べ、移行は営業へ相談。東京のバックアップは大阪。 | Enterpriseの追加契約、またはEnterprise+の対象。選んだ地域の外に残るデータと処理があります。 |
| Shopify | プライバシーポリシーは米国を含む国外への移転を説明しています。 | 同ポリシーでは地域を指定・変更する仕組みを確認できません。具体的な保存要件を問い合わせます。 |
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東京保存でも、全処理が国内になるわけではない
Asanaのヘルプは、チーム・プロジェクト・タスク・エクスポート・添付ファイルを指定地域で保存する対象に挙げています。メールアドレスや一部の認証情報、利用量の計測データなどは地域外に保存される場合があります。日本保存を選んでも、AI機能へのリクエストは米国で処理します。ガイドの地域内AI処理は、現在はEU保存を選んだ利用者向けです。
monday.comも、利用者がアップロードしたデータと、米国の既定地域に保存する認証情報・プロフィール・利用分析・自動化のメタデータを分けています。EUのStandard・Proでは米国での処理もあり、Enterpriseには外部処理会社を含む追加のEU条件があります。「全部が指定地域に残る」と答えず、対象範囲を記録します。
外国のサーバーというだけでは、法的な扱いは決まらない
個人情報保護委員会のQ12-3は、海外保存と外国にある第三者への提供を区別しています。海外のクラウド事業者が個人データを扱わない契約となっており、適切なアクセス制御がある場合などは、同FAQにある保存は法28条1項の第三者提供に該当しません。実際のサービスでどの条件が成立するかを調べる必要があり、国名だけでは判断できません。
DPA(データ処理契約)は責任分担を定める文書ですが、あるだけで法令や取引先の条件をすべて満たすわけではありません。監査報告書も、保存・処理場所の資料の代わりにはなりません。特定の報告書を求められたら、取りやすい要約版に置き換えず、求められた報告書と対象サービスを確認します。
最初の取り込みまでに決めること
国を指定する条件があるなら、対象データを含めて見積もりを依頼します。全処理を日本国内で行う条件に、Asanaの東京保存だけで適合すると考えるのは早計です。monday.comで地域変更を見込むなら、最初の取り込み前に新アカウントを作る方法と、設定や履歴の移せる範囲も確認します。
保存地域の要件がなければ、移行へ費用をかける前に、現在の地域と契約文書を記録します。要件があれば、対象データ・例外・処理場所・変更手順の回答を得てから構成を選びます。本記事は公表された製品条件の比較です。法的な評価は、自社が扱うデータと契約によって変わります。
出典(2026年10月10日確認)
HubSpot:保存先・移行 / monday.com:保存範囲 / Asana:地域・例外・AI処理 / Shopify:海外移転 / 個人情報保護委員会:Q12-3
このページで変わったこと
- 記述の訂正2026.10.11 データの保存地域 — 日英記事の改稿
国・法律・認証の一律判断と架空の遅延例 → 対象データ、移行方法、処理の例外
公式根拠は2026年10月10日確認。 - 対象範囲の変更2026.09.06 英語版 — 通貨と税の前提
円建て価格、日本の消費税、カードの海外事務手数料を前提にしていた → 米国公式価格(米ドル)で組み直した。売上税は請求先住所で決まるという事実だけを書き、税率は置かない
日本から買う場合は日本語版が扱う(円建ての数字はそちらに残している)。
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